先日、当館と合同勉強会を行っている、高千穂大学経営学部大島久幸ゼミの学生さんが来館されました。
今年からゼミに参加したというお二人は、初めての史料館見学。
館内を一周した後、現在開催中のテーマ展示「取材記者 清水三十六 ー山本周五郎、最後のサラリーマン生活ー」もお楽しみくださいました。
ご来館をいただき、最新の展示の見学が叶ってとてもよかったと思うと同時に、お二人には、昨年の合同勉強会の成果を、パネルの一部でご紹介した前回の展示「マネー番付大集合! ー「全国金満家大番附」を読み解くー」を、ご見学いただけていたら…。という強い思いに駆られました。
当館のテーマ展示は、おおむね半年に一度展示替えを行っているため、致し方なくはありますが、今までにも何度か同じような経験があります。
会期後、社内報に焦点を当てた展示を開催していたことを知り、話だけでも聞くことができたらと、山梨県からお客様が来館してくださった時や、企業が運営主体の文化施設について調べるうち、過去に当館で企業博物館展を行ったことを知り、情報を求めて愛知県からいらっしゃったお客様をお迎えした時。可能な限りの資料をお渡しさせていただきましたが、百聞は一見に如かず。実際に展示をご見学いただけたらどれほどよかっただろうと、大変もどかしい思いをした記憶があります。
今回、高千穂大学の学生さんには、5月9日にリニューアルしたホームページ内のVRで、前回のテーマ展示以降、今後は過去の展示をアーカイブし、ご見学いただけるようになった旨、お伝えすることができました。「VRで!?本当ですか!!」と喜んでくださった学生さんの言葉に、長い時間をかけて準備を行ってきた甲斐があったと、とてもうれしくなりました。
個人的には、今でもなお、博物館、美術館の展示は、実際に自分の目で見るために現地へ足を運ぶ、つまりは「会いに行く」のが醍醐味だと信じています。そこで生まれる対象との対話こそが、見学の原点であり、感動の源でもあると思います。しかし、発想を自由に柔軟にすることの大切さを学んだ、このコロナ禍。100%理想の形ではなくても、視野を広げると、別のメリットが生まれることも知りました。空間を超えて、時間を超えて。過去の展示も、現在の展示も。たくさんの方に、そして情報を求める少しでも多くの方に、活用して、気軽に楽しんでいただけましたら幸いです。