5月6日付けの日経新聞夕刊に、企業博物館が取り上げられていました。
「企業博物館で歴史を学ぶ」と題されたその記事には、親子連れが楽しめそうな、物流や印刷をテーマとした博物館を例に、資産を生かした史料の展示や、企業の枠を超えて産業全体を紹介するその魅力が紹介されていました。
当館では、2013年に「特別展 企業博物館 -逸品解題-」を開催して以来、随時、全国の企業博物館情報を収集、蓄積しています。現在までにリストアップした博物館は、閉館・休館を含め約800館。折しも先月上旬から、3年ぶりにリストの全面メンテナンス中。開館状況や連絡先、リニューアル情報など、地道に確認しながら、全国の企業博物館の「今」を見つめています。
作業を行う中で、感じたのは、近年、博物館のリニューアルが相次いでいるということ。コロナ禍の休館中に、施設の一部、もしくは全面的なリニューアルを行ったところも多いように見受けられます。また、残念なことに、閉館、休館が増加傾向にあり、こちらもコロナの影響を色濃く反映しているように感じられました。
リストの中には、当館が日ごろから交流をさせていただいている博物館をはじめ、特別展にご協力をいただいた博物館、見学して印象に残った博物館も含まれており、その動向には、さまざまな思いも去来します。
創業者の足跡や、企業、産業の歴史を詳しく、わかりやすく、時として楽しく紹介すること。そして、事故や事件などの負の歴史を風化させないよう、正確に伝えていくこと。企業が博物館という施設を通して、広く「歴史を学ぶ」場を提供する意義を、改めて実感しています。
リストの更新が完了した暁には、企業博物館のあれこれを、この場でも少しずつご紹介させていただく予定です。