当館のデータにリストアップされた企業博物館は閉館・休館をふくめて約800館ほど。
先日の雑記帳でもお話した通り、そのリストを基に、企業博物館について少しずつご紹介させていただきたいと思います。
ここでの企業博物館は、企業が運営する博物館のことを指します。一般的な公立博物館も展示内容によって細かく分類されていますが、事業内容によって創意工夫された企業博物館は、その枠組みを越えてジャンルに囚われない自由な学びの場となっているのではないでしょうか。
当館も企業博物館のひとつであり、主に信用調査業の歴史を展示していますが、世間ではあまりなじみのない分野かもしれません。今回はそのような“一般的にメジャーでないもの”にフォーカスし、リストの中から個人的に珍しいと感じた博物館を2件ご紹介いたします。
「つまようじ資料室」
日本ではつまようじといえば円柱型の持ち手のものが主流ですが、欧米をはじめ世界中では、二等辺三角形の三角ようじが主流とのこと。
そんな「三角ようじ」を普及させ、地場産業を復権させたいという思いから、1990年に開館されました。ホームページではつまようじの歴史や製造工程、世界のおもしろ楊枝などが写真とともに見ることができます。
さて「三角ようじ」とは一体どんな形なのか。興味をもった方は「つまようじ資料室」のホームページを覗いてみてください。日常のなかにすっかり溶け込んだつまようじに、新たな発見があるかもしれません。
「ビート資料館」
「ビート」とは聞きなれない言葉ですが、甜菜や砂糖大根ともいわれている十勝の代表的な作物で、サトウキビとともに砂糖の原料となります。寒冷地を好むため、日本では北海道でしか作られていません。そんな貴重なビートの栽培と歴史を展示しているのがビート資料館です。
展示室は、甜菜に関わる機器類と文献・技術史・甜菜糖業と社史の3つのテーマで構成されています。試作からビート糖業が開始され全道に普及するまでの、先人たちの農業ならではの苦難や発展は見応えがありそうですね。
ホームページには動画で社史が学べる「日本甜菜製糖株式会社・十勝鉄道株式会社 90年の歩み」が掲載されています。ぜひご覧ください。
普段見慣れないもの、実は意外と身近にあったものなど、新しい発見は好奇心をかきたててくれます。次回もお付き合いいただけましたら幸いです。