さわやかな風が吹き、秋の訪れを感じます。今週は敬老の日・秋分の日に囲まれ、連休を楽しまれている方も多いのではないでしょうか。
日本の祝日は月曜日が多く、「3連休になってありがたいなあ。」などと偶然の産物と思い込みよろこんでいましたが、史料整理のため祝日について調べていたところハッピーマンデー制度の存在に気がつきました。
ハッピーマンデー制度とは、国内に週休2日制が浸透したため、一部の祝日を固定日ではなく「9月の第3月曜日」などというように特定週の月曜日に変更し、土日を含め3連休として余暇を過ごしてもらおうという趣旨で制定されたものです。
長年勘違いをしていたことに驚きながら、いやいや、なじみがないのは最近できた制度だからに違いない、と制定日を確認しましたが、最古の施行年が2000年。物心がついたころからすでにハッピーマンデー制度の恩恵を受けていたことになります。一度自分に言い訳をした分、余計に無識を実感いたしました。お恥ずかしい限りです。
きっかけとなった史料整理は、帝国データバンクが現在も刊行し続けている、産業経済界の動向などを記載した新聞「帝国タイムス」の収蔵確認でした。
この帝国タイムスの創刊はなんと明治39(1906)年。今でこそ旬刊での刊行となっていますが、世間の情勢や社内体制の変化により、幾度となく刊行日・名称の改定を行ってまいりました。日刊・週刊・月6回・また、戦時中に用紙統制のため一時休刊を余儀なくされたこともありました。
収蔵品を1点ずつ確認していきますが、抜けている日付がちらほら出てきます。さてこの日付は、保管もれか、休刊日か。記載されている号数で判断していきます。すると、毎年いくつかの同じ日が抜けていることに気づき、祝祭日の翌日は休刊と仮定して当時の祝祭日を確認する流れとなりました。
紀元節…建国記念日、明治節…文化の日のように、ほとんどは現在も名称を変えて残っているため判断しやすかったのですが、1月5日の「新年宴会」は1948年に祝日としては完全廃止となっていたため、ここではじめて知ることとなりました。新年宴会は宮中において新年の到来を祝う宴会の日とされ、皇族、親任官、公大使などを招き盛大に行われたそうです。宮中の行事ではありますが、日本の至る所でも祝いの宴会が行われていたのでしょうか。いやはや、想像するだけで楽しい気分にさせてくれます。はやくこのような日常がもどってくることを切に願います。
さて明日の秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日。穏やかな1日となりますように。