テレビで「今年もあと2ヶ月…」という言葉を耳にし、気が付けば街中にクリスマスの飾りがちらほら。おせちの広告を見るたびに、年末年始の足音を感じます。
大人になってからというもの、1年経つのが早いと感じるようになりました。小さい頃のほうが季節ごとの記憶も鮮明で、写真を見返さなくともその年なにをしていたかハッキリと覚えていました。今では先月どこへ出かけたかも思い出せず。思い出が色あせるのが早くなったような気がします。
とはいえつまらない日々を過ごしているかと問われればそういう気持ちはなく、時間の捉え方が変わったのだと思います。足早に過ぎていく1年を傍からゆったり眺めるように、「1年が終わるのは早いなあ、昔は…」などと毎年つぶやいているくらいが、自分にとって丁度いい過ごし方なのだと考えます。きっと来年の今頃も同じことを言っているでしょう。
そんな1年も100回繰り返すとなると別の話。帝国データバンクでは業歴100年を超える企業を「老舗」と定義していますが、一言で老舗といっても、企業にとっては1日たりとも気が抜けないもの。100年は悠久の時のように感じます。日本は世界の中でも老舗が多く、「明治時代創業!」といわれても、なんとなく見慣れてしまうことがあるかもしれませんが、企業一つ一つに創業、発展、挫折、復興、改革など、いくつもの転機を乗り越えてきた軌跡があり、その膨大な努力の歴史が日本を支えています。地元にある慣れ親しんだ老舗にも、思いがけないエピソードがあるかもしれませんね。
当館ではテーマ展示を入れ替え、今週より「老舗の姿 2022」を展示しております。見どころについては追ってご紹介させていただければと思います。
老舗の100年と自分の1年。数字で見れば百分の一ですが、比較するのも恐縮なほど、まったく違った時間のような気がします。「いや、時の流れの感覚は人それぞれだ」と思いながら、あと2ヶ月でなにができるかと、少し焦りを感じています。
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