学芸員室の雑記帳

「今」に続く「データ」を展示する

来週から、新しい企画展が始まります。

情報部創設から60年を記念して、情報部(現情報統括部)が60年間集計・発信してきた企業の「倒産」を展示します。

史料館開催の古文書講座では、毎月、『町人考見録』という資料を読んでいます。これは江戸中期に三井本家三井高利の孫・高房が父から聞き取った倒産事例をまとめた教訓書です。商家が何を原因に、どのような経緯で没落したのか、さまざまな事例のなかには現在にも通じる教訓が散りばめられています。

今回の展示では、1964~2023年の倒産企業データを扱います。すべての事例の詳細を取り上げることはできませんでしたが、負債額1000億円以上の大型倒産については、『帝国ニュース』の速報や「話題の倒産を追う」などの分析記事を読めるようにしました。

前々回の老舗展同様、「今」に続く「データ」の展示という試みを手さぐりで進めてきました。情報統括部との共催にあたり、同部署から資料やデータ、原稿作成に至るまで協力を得て、展示開始の運びとなりました。

今回は若干会期が短いので(当館比)、来館の際はお早めにご予約ください。

本年もよろしくお願いいたします。