昨年春以降、一般のお客さまに加え、修学旅行やキャリア学習の一環として当館をご見学くださる中高生が増えています。準備の際には、目的や年代に合わせた端的な解説ができるよう試行錯誤を繰り返していますが、日本史教科書を一般読者のために書き改めた通史『もういちど読む 山川日本史』(山川出版)を参考にすることもあります。
教科書の内容が書かれた書籍を読み返すことで、少しでも生徒のみなさんの視点に近づくことができたらと目論むのですが…。
ページをめくるたび、史料館案内で触れる史実に割かれている記述が少ないことに驚きを覚える一方で、時代や物事の流れをつかんでさえいれば、とても興味深く読み進められることに今さらながら気づかされ、本来の目的を忘れてしばし読みふけってしまうことも多々あります。現役当時にこの面白さに気付いていたら…。と過去の不勉強を反省する次第ではありますが、来館される生徒のみなさんには、少しでも早いうちに、さまざまな角度から歴史に触れ、知識を深める楽しさを知っていただけたらと願っています。そして、当館の見学がその一助になりましたら幸いです。
「もういちど」と言わず「なんど」でも。通史を振り返るたび気づきがあることは、日本史のみならず、もちろん社史においても同様です。当社の社史『情報の世紀 帝国データバンク創業百年史』を読み返し、記録とともに背景や経緯の詳細を辿っていくと、まだまだ新たな発見がありそうです。
来る3月3日は当社124年回目の創業記念日。
日ごろは、ピンポイントで辞書を引くように社史を読むことが増えていますが、この機会に改めて、丁寧に読み通してみようと思っています。