学芸員室の雑記帳

新紙幣

昨日、7月3日に約20年ぶりにデザインを刷新した紙幣が発行されました。既に皆さまのお手元に届いていますでしょうか。私は、たまたま金融機関で入手する機会に恵まれました。偽造防止のためのホログラム技術はもとより、数字自体が大きくなり、海外の方も使いやすい、まさにユニバーサルデザインの考え方が取り入れられた紙幣との印象を受けました。

さて、現在弊館では、既報のとおり1万円札の肖像画の渋沢栄一と信用調査業に関する展示を開催、12月27日(金)までの会期を予定しています。どうかご来館のうえ、渋沢栄一が信用調査業に残した足跡と、帝国興信所とのエピソードやゆかりの品、寄稿記事等、お楽しみください。また、弊館では、千円札の肖像画の北里柴三郎の書も保管しています。関東大震災で休刊していた雑誌「日本魂」の復刊に寄せて揮毫された書です。「民剛健にして国強し」(民の力が国の力を強くする)という言葉が書かれています。弊社に対する励ましでしょうか。ゆかりのあるお二方が新紙幣の肖像画になられ、新紙幣を手にした喜びも倍増です。

新紙幣を見ながら、数十年後の肖像画に描かれる人物を想像するのもいとたのし。新紙幣の話題は尽きませんね。