学芸員室の雑記帳

100年前の模擬国会

100年前の7月13日、帝国興信所では模擬国会が行われていました。
「興信帝国議会(擬)」と称し、若手所員を中心に、衆議院議長や副議長、書記官長、国務大臣首相には初代所長、政党は保守党・進歩党・中正会を置くなど、本格的な構成で開催されました。
議題は、会社の風紀刷新に関する法律案や9月1日を克己日とする建議など、社内の決め事を国会風に議論しています。関東大震災の翌年、震災のあった9月1日を克己日とする件は可決され、その後実際に長年にわたって、記念会が催されています。
写真は、その時の模様を写したもので、中央奥に立っているのが初代所長、その手前には速記の姿も見えます。模擬国会が行われたバラック仮社屋は、関東大震災後始めに仮社屋とした泉岳寺から初代所長の自宅跡に移転して建てたものです。当時、初代所長は衆議院選挙には落選したものの、東京市会議員や京橋区会議員を務めていました。社内での模擬国会は、自ら政治に参加し、演説や大イベントを好んだ初代所長らしい催しです。
100年前の今頃は今ほど暑くなかったかもしれませんが、関東大震災の焼け後からの復興を目指し、熱い議論が交された当時の熱気が伝わってくるようです。