数か月かけて準備してまいりました『帝国データバンク史料館だより Muse』Vol.45が近々刊行します。
巻頭の特集では、昭和初期に当社前身帝国興信所が発行していた「帝国興信日報」の連載ものである、実業家の伝記シリーズをご紹介。寄稿ページの“輝”業家交差点は、日本窯業の近代化を推進した人物にスポットが当たります。また、資料にみる企業の歴史のコーナーでは、金融機関における信用調査の歴史と信用調査機関を取り上げています。
コンパクトな構成ではありますが、制作には、企画、執筆、寄稿依頼、資料収集、画像手配、校正など、たくさんの工程があります。どれも細かな調整や関係各所との密なコミュニケーションを要しますが、記事のチェックがすべて終了し、『Muse』の顔ともいうべき表紙が出来上がると、刊行まであと一歩。協力してくださったたくさんの方に感謝しながら、表紙のプリントアウトを眺める瞬間は、制作の醍醐味です。
今回の表紙は、特集で取り上げた「帝国興信日報」の題字にフォーカスしています。戦前の「日報」は紙質も良くなく、経年によりヤケやシミもありますが、実際に目で見る「日報」とはまた別の表情で表紙を飾り、味わいのある仕上がりとなりました。
先日も雑記帳で触れたように、「帝国興信日報」は、1906(明治39)年7月に「帝国興信所内報」として創刊以来、「帝国興信所報」、「帝国タイムス」と名前を変え日本の産業界の情報を発信してきましたが、来年発行が終了します。
118年続いた出版物の歴史を、『Muse』の表紙でも感じていただき、本誌掲載内容にご関心をお寄せいただけたら…と願っています。
『Muse』は刊行次第、当HPでも掲載いたします。
どうぞお楽しみに。