正月の大地震から復興を進めていた能登半島が記録的な豪雨により、またも甚大な被害に見舞われました。10人以上の尊い命が失われ、今も安否不明の方がいらっしゃいます。
安否不明者の一日も早い発見を願うとともに、被災された皆さまに心からのお見舞いを申し上げます。
昨年当館では、関東大震災から100年経過のタイミングで、当時の従業員が震災後に残された手記を公開しました。震災では当社の本所ビル(1918年12月竣工、煉瓦造り3階建)も3階の床が抜け落ち、従業員と什器を乗せたまま2階を打ち抜いて1階まで落下、6名もの尊い命を失う大惨事となり、また従業員による地域の救援活動に関する記録から、自然災害の恐ろしさ、理不尽さを痛感させられました。そして、今年8月には、宮崎県で最大震度6弱を観測する地震を端に、南海トラフ臨時情報の「巨大地震注意」を気象庁が初めて発表しました。関東大震災の惨状が頭をよぎりましたが、幸いその後大きな被害はなく、愁眉を開いたところです。
とはいいましても、南海トラフ地震や首都直下地震が今後30年間に発生する可能性が示され、地震はもとより、台風、大雨など自然災害からは決して目を背けることはできません。
災害には何よりも理不尽さを強く感じますが、これまでの大規模災害に直面した経験、先人からの示唆や教訓を生かし、防災意識を高めていくことが大切だと改めて感じています。