今回が初投稿です。よろしくお願いします。最初からあまり博物館らしくない話題になってしまいますが、日本シリーズの話をします。
今年の日本シリーズは福岡ソフトバンクホークス対横浜DeNAベイスターズの対戦となり、大方の予想を覆してベイスターズが勝利しました。弱かった時代を長い間見てきて、そのイメージが抜けないので少し不思議な感じがします。
ベイスターズは10数年前は最下位が定位置で、21世紀に一度もリーグ優勝できていない12球団唯一のチームです。前に優勝したのは1998年。26年も前です。しかも70年以上セ・リーグでやってきて、優勝回数はトータルでたったの2回。今年も日本シリーズでは勝ちましたがリーグ優勝したわけではないので、21世紀に優勝していない記録は継続中です。
優勝回数の圧倒的な少なさに対して最下位の回数は非常に多く、2000年以降だけでも11回も最下位になっています。他のセ・リーグのチームの記録を見ると、次に最下位が多いのがスワローズの6回で、ベイスターズが他を大きく引き離しています。2008年~1012年には5年連続最下位も記録しました。さらに遡ると、1954年~1959年(大洋ホエールズ時代)には6年連続最下位になっています。ちなみにこれはプロ野球記録です。そういったことを踏まえると、本当に強くなったと思います。
ベイスターズの現在のオーナーはDeNAですが、最初のオーナーは大洋漁業(現・マルハニチロ)でした。かつての球団名「ホエールズ」は大洋漁業が元々捕鯨を主業としていたことから来ているものと思われます。元々は1929年に発足した林兼商店(大洋漁業の前身)の実業団チームで、オーナーの座を退いたのが2002年。かなり長い間の付き合いでした。両者の関係はそれからしばらく途切れていましたが、2019年からマルハニチロが横浜ベイスターズのオフィシャルスポンサーとなり、復活しています。
マルハニチロに企業博物館はあるのか、ふと気になって調べてみたところ、HP博物館ならありました。こちらのサーモンミュージアムです。
これが博物館の定義に当てはまるのかについては議論の余地があるかもしれませんが、鮭に関する様々な知識が得られるようになっていて、読み応えがあって面白い内容でした。
さらに、大洋漁業時代の1958年には下関市に「鯨館」という捕鯨資料の展示施設を作っていました。この施設は同年の下関大博覧会の際に下関市に寄贈され、下関市立水族館の一部となっていました。現在は下関市立水族館も鯨館も閉鎖されていますが、鯨館の建物だけは関見台公園の中に残っています。建物の中に入ることはできないようですが、クジラを模した外観が印象的で、下関市を訪れる機会があれば一度見てみたいと思いました。