11月の到来とともに、全国の大学では学園祭シーズンを迎えました。
学園祭は、学生の研究やサークル活動の発表の場であり、卒業生や関係者、地域住民との交流の場でもありますが、個人的には学内にある大学史の展示施設を気軽に訪ねることのできる絶好のチャンスだと感じています。にぎやかな学園祭を楽しむ一方で、心静かに大学の歴史や建学の精神に触れるというのもなかなかよいもの。学園祭に行く機会があれば、各大学史の施設を探し、貴重な資料や趣向を凝らした展示を見学して楽しんでいます。
さて、大学の歴史といえば当館でも、帝国興信所ゆかりの人物を展示する「時の広場 人物往来」において、大学の設立にたずさわった人物を何人かご紹介しています。
現在の中央大学の創設者の一人である土方寧や、東京女子医科大学建学の祖である吉岡彌生、成城大学の澤柳政太郎や実践女子大学の下田歌子。さらに、共立女子大学の鳩山春子や、跡見学園女子大学の跡見花蹊、専修大学の創立者の一人である目賀田種太郎など…。
展示室内に設置されたタッチパネルでは、その功績や帝国興信所に寄せられた直筆の書、肖像写真などを検索して確認することができます。加えてそのうち数名は、壁面パネルでも展示し、帝国データバンク125年の歴史を彩る人物としてその足跡をたどることができます。
さらに、現在テーマ展示で取り上げている渋沢栄一は、多くの会社の設立のみならず、教育機関の立ち上げにも力を入れた人物です。現在の一橋大学や東京経済大学、高千穂大学や明治大学、日本女子大学や東京女学館大学など、数多くの大学の運営に尽力しました。
当館ご来館の際には、さまざまな大学の設立者、関係者の展示で探してみてはいかがでしょうか。学外に残る学祖の書を味わい、学ぶ場を拓いた人物たちの横顔に触れる機会となるかも知れません。壁面パネルの一部はVRでもお楽しみいただけます。ぜひ、ご見学をいただけましたら幸いです。