博物館運営において、展示で使用する機器の管理やメンテナンスを常時きちんと行うことは、大事な業務のひとつです。当館では夏以降、常設展示室プロローグゾーンにあるホログラム映像の調子が芳しくなく、不具合があるたびに、バックヤードの映像機器から聞こえてくるSOSの声に耳を傾けています。
「夏は猛暑の影響からか、突然不調に見舞われてしまいました。」
「近ごろ気温が急降下して、時々一日中稼働できない日もあります。」
「連休明けの朝は動き出せないこともありまして…。」
と、なかなかにつらい模様です。
経年劣化による不具合という場合ももちろんありますが、展示で使用する機器は、新旧問わず温湿度や使用状況が稼働に大きく影響する繊細なものです。当館でも適宜新しい機器に入れ替えて、毎日マニュアルに従って大切に使用していますが、それでも不具合は忘れたころに発生します。特に今回は原因が特定できず、何度も復旧作業を要したかと思えば、一度改善するとしばらく何事もなかったように通常通り稼働することもあり、人と同じように展示機器の体調管理の難しさを実感しています。
最近では、3Dのホログラムや没入型シアター映像を導入するなど、最新技術を利用してよりリアルな体感を展示で提供している博物館も増えています。展示手法として大変参考になりますが、当館のこのホログラム映像は、開館以来17年間、来館されたすべてのお客さまをエントランスでお迎えし続けている重要なコンテンツです。個人的にも愛着があり、信用調査と当社が歩んできた過去・現在・未来を連想させるシンボリックな展示のひとつとして、これからも本来のパフォーマンスを発揮し続けてほしいと願っています。
つきましては、今後も彼らの働く環境の最適解を模索し続け、より多くのお客さまに当館のホログラム映像をご見学いただけるよう、博物館運営に努めてまいりたいと思います。