学芸員室の雑記帳

博物館とアクスタ

コブウシ土偶のアクスタ(古代オリエント博物館)

昨年、同じ新宿区内にある漱石山房記念館に行ってきたのですが、そのミュージアムショップで面白いものを見つけました。夏目漱石のアクスタです。ホームページの商品紹介では「デスクに置いて勉強や仕事の見守りはもちろん、一緒にお出かけも。漱石のいる生活が始まります。」とあります。

御存じの方もいらっしゃると思いますが、アクスタとはアクリルスタンドの略で、透明なアクリル板に人物やキャラクターなどの画像を印刷して切り抜き、台座に差して自立できるようにしたものです。推し活グッズの代表格で、外出先に持って行って一緒に記念撮影したりする人もいるようです。

この漱石アクスタはSNSでも話題になっていて、ネット記事でも取り上げられていました。
アクスタと言えばアイドルやアニメ・ゲームのキャラクターのものが多い印象だったので、夏目漱石には少し驚きました。ただこういったアクスタが出るのはこれが初めてではないようで、例えば早稲田大学演劇博物館も、これより前に坪内逍遥のアクスタを出しています。しかも人気で完売してしまったそうです。

先日池袋にある古代オリエント博物館に行った際も、ミュージアムショップでコブウシ土偶のアクスタが売られているのを見ました。博物館でアクスタが売られているのはそれほど珍しいことではないようです。さすがに偉人アクスタは珍しいかもしれませんが。

では他の博物館が出しているアクスタにはどんなものがあるのか、気になったので調べてみました。

・国立科学博物館 クラウドファンディングの返礼品 標本アクリルスタンド(シロナガスクジラなど全10種)

・東京国立博物館 先日開催されていた「特別展『はにわ』」にちなんで、はにわアクスタ(全8種)

・明治大学博物館 資料説明付きアクスタ(山形土偶など全4種)

などなど。やはり結構ありました。

もし当館がアクスタを作るとしたら……まずはゆるキャラづくりからでしょうか。