
学芸員室のマイクロリーダー
先日、マイクロフィルム感材の製造が今年いっぱいで終了し、関連サービスが今後縮小していくことを知り、大変ショックを受けております。
マイクロフィルムの推定寿命は500年といい、中性紙に次ぐ優秀な保存媒体として資料保存に重宝されてきましたが、生産終了となると、今後は紙以外の資料はデジタル媒体で残していくしか道はなさそうです。CD-Rの推定寿命は10~30年… ハードディスクも定期的に入替をしていかなければならないことを考えると悩ましいところです。
マイクロフィルムとは長いつきあいです。学生の頃、研究室で行っていた古文書調査にはマイクロカメラが必携でした。当時(今も?)、古文書の撮影には墨の濃淡や筆の払いを精密に記録するマイクロカメラが適していたため、遠方へ調査に赴く度に、重いカメラケースを運び、撮影時にはライトの熱さと腰の痛みに苦しめられました。フィルムの装填やマイクロリーダーの操作に四苦八苦したことも、今となっては懐かしい思い出です。
学芸員室にもマイクロフィルムとマイクロリーダーがあり、資料の閲覧に活用しています。長年お世話になってきたマイクロフィルムの生産終了。時代の変化にノスタルジーを感じつつ、これを機にデジタル化も一気に進めてまいります。(これまでのフィルムは引き続き保管したうえで)