学芸員室の雑記帳

原敬

国立国会図書館「近代日本人の肖像」

企画展では、創業者が選挙活動にも熱心だったことについて触れています。世の中をよくしたいという思いの強かった創業者は、政治からも世の中を変えようと試みました。本社のあった京橋区から衆議院議員選挙に3回(第11・12・14回)出馬し、熱く選挙戦を繰り広げています。

最後の出馬となった1920(大正9)年の第14回の衆議院議員選挙の様子を伝える新聞記事には、「白熱化せる京橋区の三つ巴戦」と題し、「後藤武夫氏(創業者 ※筆者注)はまたかの原敬氏に酷似した顔で既に既に早くから戸別訪問を始め、近く五千軒を一廻りしたという偉い勢力振りであるが、その如才の無さ加減は大分人気を得、殊に床屋さんと魚屋さんが躍起となって氏のために働いている。」(『時事新報』1920年3月22日)と書かれています。

ちょうど今月から、衆議院憲政記念館(千代田区)で原敬を取り上げた企画展が開催されています。ぜひ、お見比べください。

→衆議院憲政記念館 企画展示「人物シリーズ『継』」第3回 西園寺公望・原敬